占星術には対等測地法という技法があり、これは人と場所(都市、国)にも相性があるという考えに基づいたものです。
2年前に亡くなられた「愛は勝つ」のヒット曲で有名なアーティストのKANさんをサンプルにして、説明したいと思います。
KANさんは2002年にフランスのパリに移住しましたが、占星術的にみてパリは彼にとって決して相性の良い場所ではなかったですね。
対等測地でパリはアセンダント(asc)が蟹座の26度、ミッドヘブン(MC)は牡羊座の2度となります。
KANさんの出生の冥王星は乙女座の10度ですから、パリのアセンダントとはセミスクエア、
KANさんの出生の太陽は天秤座の0度で、パリのミッドヘブンとオポジションとなり不運な場所でした。
冥王星とリリスは命にかかわることもありますからコンジャンクション、凶角を形成する場所は最も避けたい場所なのです。
他のマレフィック惑星(凶星)である火星、土星、天王星、海王星がコンジャンクション、凶角を形成する国もトラブルに遭いやすい場所となりますから避けていただきたいと思います。
太陽は基本的な運勢、健康運に影響してきますから、凶角を形成する場所は、やはり避けたい場所です。
太陽が吉角を形成する分には問題ありませんが、太陽のコンジャンクションはコンバストと言って生命力が衰える場所ですから、これも避けていただきたいですね。
例えば出生の太陽が獅子座の20度の人でしたら、アセンダントかミッドヘブンが獅子座の19度の国とは太陽がコンジャンクションでコンバストとなりますから、避けたい場所です。
ちなみに対等測地法でのアスペクトのオーブ(許容範囲)は、私は前後5度までしか取りません。
セミスクエアのようなマイナーアスペクトの場合は、さらに狭く前後3度までとしています。
42度から48度までということですね。
これは占星術師によって違うと思います。
KANさんは2022年3月に「メッケル憩室ガン」を発症し残念ながら、その年の11月に亡くなられましたがパリに長期間、住んだことが影響しなかったとは言えないでしょう。
東京のアセンダントは蠍座の13度でKANさんの出生の金星蠍座の14度とコンジャンクションとなりますから、東京は彼にとって幸運な場所でした。
ですから彼は日本を離れるべきではなかったと思います。
出生の金星、木星がコンジャンクション、吉角を形成する国は幸運な場所となりますから移動するなら、そういう場所を選んでいただきたいと思います。
躍進めざましいウクライナ出身の大相撲力士、安青錦(あおにしき)関は出生の木星が乙女座の11度で、東京のアセンダント蠍座13度とセクスタイルとなりますから日本は彼にとって幸運な場所となります。
ドラコニックチャートの火星は牡羊座の19度で、これは東京のミッドヘブン獅子座の19度とタイトにトラインとなり勝負事に有利な場所ですね。
ですから力士として成功できたのでしょう。
こちらは場所を移動して成功した例ですね。
彼のホロスコープについては以前に安青錦(あおにしき)関のホロスコープという記事に書きました。
マレフィック(凶星)な惑星がコンジャンクション、凶角を形成せず金星か木星がコンジャンクション、吉角を形成する場所(国)を選ぶとなると、そう多くはないですよね。
占星術師としては結構、やっかいな作業です。(苦笑)
そういう鑑定を専門にしている占星術師の方もいらっしゃるようですが。
彩矢佳
太陽 基本的な性格、運勢 健康運
冥王星 極限状態 カルマ 物事を終わらせる 場合によっては命にかかわる
リリス カルマ 場合によっては命にかかわる
火星 情熱 アスリート トラブル 事故
土星 試練 制限 安定
天王星 変化 ブレイク 突発的なトラブル
海王星 芸術 混乱 失望
金星 お金 愛情 芸術
木星 幸運 利益 発展 保護 財産
アスペクト 惑星間の角度のこと
アスペクトのオーブ アスペクトの許容範囲。前後5度から8度くらい。例えばセクスタイル(60度)なら55度から65度くらいまでをセクスタイルと、みなします。
コンジャンクション 2つの惑星が重なっている状態 吉凶混合
セミスクエア 惑星間の角度が45度 凶角
スクエア 惑星間の角度が90度 凶角
オポジション 惑星間の角度が180度 凶角
セクスタイル 惑星間の角度が60度 吉角
トライン 惑星間の角度が120度 吉角
クインタイル 惑星間の角度が72度 吉角
コンバスト 太陽の熱によって燃やされ弱まる状態。
